多焦点眼内レンズには大きくわけて「屈折型」と「回折型」の2種類があります。

屈折型は眼内レンズが同心円状に近方ゾーンと遠方ゾーンに分かれており、それぞれに入射した光が
その部位にピントを合わします。回折型は入射した光がレンズについた溝によって回折現象を起こし、
近方と遠方に振り分けられます。

多焦点眼内レンズを眼内に挿入することで、お若い頃のような目に戻れるような
ご印象を持たれる方もおられますが、そうではありません。
コントラストの低下などもあり、「単焦点眼内レンズに比較して眼鏡の出番が少ない」
と、考えて頂けたら良いと思います。

白内障手術を受けて頂いた際に、眼内レンズを挿入いたしますが、従来は「単焦点眼内レンズ」という
遠方もしくは近方のどちらかにピントが合うレンズを使用しておりました。

なので、例えば遠方にピントを合わせた時は読書時にはいわゆる老眼鏡が必要になりますし、
近方にピントを合わせた時は、運転時等には眼鏡が必要でした。

それに対しまして「多焦点眼内レンズ」は基本的には遠方と近方のどちらにもピントが合う眼内レンズです。

このレンズの良さは・・・

・夜間など瞳孔径が大きくなる暗い条件でも、遠方視力が良好であること。
・近方視力は40cm位まで平均的に良好であること。
 (30cmでよく見えるような多焦点眼内レンズでは、特に1m位の視力が大きく
  低下してしまう)
・虹のように見えたり、滲んで見える事が少ないこと。
・眩しさを抑えた着色レンズを使用していること。

以上が、採用に至った理由です。 

当クリニックでは「回折型」の中でもレンズ中心部のみに回折型の構造をもつ
アルコン社の「アポタイズ回折型」レンズ(SN6AD1)を採用しています。
(なお、乱視が強い方には乱視の矯正効果もある多焦点眼内レンズを使用します)

アポタイズ回折型レンズ

単焦点レンズ

2015年3月より、当クリニックが「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術(白内障に
係るものに限る)」の「先進医療施設」として認定されました。
これにより、「先進医療にかかる費用(多焦点眼内レンズを用いた白内障手術)」として
手術費・眼内レンズ費は全額自己負担となりますが、上記以外の手術前・手術後の診察・
検査・薬代等の費用は保険診療で行えるようになりました。

なお、医療保険の先進医療特約等をつけられている方は、多くの場合は適応になりますので、
医師・スタッフにご相談ください。